2017年11月に私は鹿児島と熊本を訪れました。もっと温暖な土地という印象でしたが、ちょうど日本列島に入り込んだ寒波の影響で、風と雨の降る冷たい九州の旅となりました。目的は2つ。しょうぶ学園(鹿児島)の見学とImagine2020のライブ(熊本)に参加するため。
しょうぶ学園では福森施設長とお会いする機会があり、こんな話を聞きました。「この世の中にあることは何でもアリだと思う。(中略)だから戦争だって現実に起きているからアリってことになる。でもそれを好むか好まないかだよ」と。好む人もいれば好まない人もいるが、現実に起きていることを無いことにはできない。意表を突く話でした。
熊本でのライブでは、サルサガムテープの新曲「ワンダフル世界」が歌われました。相模原で起きた事件の直後、ネガティブな話題がメディアやネットを賑すと、それらの声にロックミュージックで応える形でこの曲は生まれました。「しあわせになるために、生まれてきたんだ、生きていることが、大好きなのさ」と繰り返される人生賛歌をライブハウスで大合唱しました。音楽の力の大きさを実感する瞬間でした。
九州での二つの体験から、現実を受容しその上で独自の答えを出し実践することを、改めて考えました。「平和」や「幸福」とは対極にあるように見える悲惨な出来事も、私たちの暮らしとどこかで繋がっているでしょう。でも、だからといってそれらに賛同することはありません。アリであっても好みじゃないし、できることならナシに近づけたいという意思表示と行動は、福祉の基本のような気がします。
さて、2018年が始まります。ポパイは身近なPeaceから地球のPeaceまで、この一年であらゆることに取り組んで、そんな世界を作っていきたいと思います。皆さんと一緒に。(山口)